2021/7/28コラム
不動産投資の要と言っても過言ではないのが「出口戦略」です。
物件の購入に際して「最終的に売ればいい」「とりあえず利回りが良いし」なんて軽く考えているなら要注意です。
出口戦略は、物件を手放す時ではなく、購入前にしっかりとプランを立てて置く必要があるのです。
今回は、そんな不動産投資の出口戦略について、分かりやすくご紹介します。
もともと「出口戦略」とは、事業などを辞めようと考えた際に、いかに損失を出さずに撤退できるか、という作戦のことです。
不動産投資においても、所有している不動産を手放そうとした時、いかに経済的な損失を少なくするか、すでに投資した資金をどれだけ回収できるか、などを考える際に用いられます。
ただし「出口戦略」は、不動産投資を辞める際だけに使われるキーワードではありません。
物件を手放すのか、経営を続けるのか、あるいは一部建物を解体し、土地として売却するのか、など運用を切り上げるタイミングそのものについて検討される際にも使用されます。
出口戦略は基本的に不動産を手放す際のことを考えるものなので、運用しながら考えていこうと思っている人も多いでしょう。
実際、物件の収益率を優先し、出口戦略については一切考えていない投資家も少なくありません。
しかし実は出口戦略こそ、物件を購入する前に考えておかなければならないポイントです。
不動産は、購入時に大体の条件が決まっており、それらが大きく覆ることはほとんどありません。
つまり、購入してから「価格が下がらないようにする」「高く売れるようにする」などということはできないのです。
もちろん物件の収益率も大切ですが、最終的にどうするのか、ということをプランニングした上で物件を選ぶことが大切です。
出口戦略として考えられる一般的なパターンを紹介します。
最もスタンダードなのが、賃貸物件としてそのまま売却する方法です。
立地が良く集客率が高いと見込まれる物件は売却時にも高値がつき、それでいて買い手も見つかりやすい傾向にあります。
一概には言えませんが、条件が揃えば築30年を超えるまでは値段が大きく下落することはないでしょう。
ただし、将来的に好条件で売却したいのであれば、運営中にもそれなりの工夫や努力が必要です。
こまめにメンテナンスを行う、購入当初の家賃設定から大幅な値下げをしない、高い入居率をキープする、など次の購入者が魅力に感じられる物件として維持することを常に心がけましょう。
区分投資の場合はあくまでも「部屋の所有者」という位置づけになるため、建物に手を加える権利はありませんが、一棟買い投資の場合は建物を解体して「土地」として売却することができます。
再開発などで土地の価格が上昇するなど、「資産」として計算した方が得をする場合に有効な手段ですが、建物の築年数が古くなり「建物があるから売却が難しい」という場合にもこの方法をとるのが一般的です。
将来的に更地で売却する可能性が高いなら、定期借家契約で入居者を募るのも1つです。
更地にする場合は、まず入居者に退去してもらう必要があるので、トラブルを回避するために契約方法も検討するといいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、不動産投資における出口戦略についてご理解いただけたと思います。
不動産投資を始めてしまってから条件を改善するのは難しいため、最終的に手放す際のことまでしっかりとシミュレーションした上で不動産を購入しましょう。