2021/7/28コラム
不動産投資をするなら、避けては通れないのが「減価償却」です。
とはいえ「表を見ただけで分かる」というような単純なものでもないため、不動産投資初心者には少し難しいかもしれません。
そこで、本記事では減価償却の計算方法を分かりやすく紹介します。
この記事を読み終わる頃には、初心者の方もご自身で減価償却を計算できるはずです。
減価償却を計算する場合、大きく分けて2種類の方法があります。
なお、不動産を所有していても、減価償却の対象となるのは「建物」だけなので、土地の値段は購入価格から差し引いて考えましょう。
1年間で下がる建物の価値を常に一定と考えて計算する方法です。
建物の耐用年数と償却率については国税庁のホームページなどで確認できるので、計算する際には活用しましょう。
定額法の計算式は、以下のとおりです。
減価償却費=取得価格×定額法償却率
分かりやすく、具体的に数字を当てはめて見てみましょう。
木造のアパートを、4,000万円で購入したと仮定しましょう。
木造の場合、法定耐用年数は22年、定額法償却率は0.046%です。
そのためこの物件の減価償却は、4,000万円×0.046=184万円となります。
実際の価値には関係なく、1年毎に184万円ずつ建物の価値が下がり、22年後にはゼロになるという計画です。
決して難しくはなく、建物の購入価格と構造についてさえ分かっていれば、誰でも簡単に計算ができます。
定額法と同様、国税庁が定める「減価償却資産の償却率表」に則って計算されます。
ただし、定額法が毎年「建物の購入価格」を元に計算されるのに対し、定率法は「建物を購入した金額から前年度までの減価償却費の合計を差し引いた価格」を元に算出されるのが最も大きな違いです。
つまり、元になる価格が年を追うごとに減ってくるので、それに伴って毎年の減価償却費も下がってくるということです。
定率法の計算式は、以下の通りです。
減価償却費=(建物の購入価格-前年までに減価償却した金額の合計)×定率法償却率
これだけを見ると複雑な気がしますが、計算自体は難しくありません。
こちらも、定額法と同じ条件を当てはめて考えましょう。
法定耐用年数22年の木造アパートを4,000万円で購入した場合、定率法償却率は0.114%です。
それらを計算式に当てはめると、物件を購入した年(1年目)の減価償却費は4,000万円×0.114%=456万円となります。
2年目は建物の購入費用4,000万円から、前年度の456万円を差し引いたものから計算するので、減価償却費は3,544万円×0.114%=約404万円となります。
3年目は、4,000万円から456万円(1年目)と404万円(2年目)を差し引いた3,140万円が基準になることが分かりますね。
このように毎年、前年度の減価償却費を差し引いて計算すれば簡単に算出することができます。
なお、2016年度に税制改正が行なわれた際、建物の減価償却における定率法の使用は廃止となりました。
これから物件を購入する方には「定額法」が適応されるため必要はありませんが、知識として知っておくと安心です。
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、減価償却費の計算方法についてご理解いただけたと思います。
これから購入する不動産に関しては「定額法」が用いられるので、確定申告の際に困らないないためにも、しっかりと覚えておくことが大切です。