2021/7/28コラム
不動産投資をする上で、必ず目にする「減価償却」というキーワード。
不動産を運用する人全員に発生するというだけでなく、収益額や税金にまで関係してくるものなので、不動産投資を始める前に、しっかりと意味を理解しておく必要があります。
そこで、今回は「減価償却」の基礎となる、その仕組みについて分かりやすく解説します。
「減価償却」とは分かりやすく言うと、高額で何かを購入したとして、それがその後何年間にもわたって使えるものである場合、その年の支出として費用の全額を計上するのではなく、活用できる年数分に分割して少しずつ計上しよう、というのが基本的な考え方です。
不動産投資に置き換えると「建物」がその対象となります。
不動産投資において、所有している建物は「償却資産」と呼ばれ、それら償却資産は年数を追うごとに古くなりその価値が減っていきます。
不動産投資ではその減ってしまった分を「減価償却費」として、毎年の経費に組み込むことができる仕組みになっています。
つまり、国が投資家に対し「君はマンションを買ったけど、年々古くなっていくし、維持費もかかって大変だろうから、価値が減った分は経費ってことにしていいよ」と言っているようなものですね。
ただし償却率は自由に決められるものではなく、以下のように定められています。
・木造:耐用年数 22年/償却率 0.046%
・鉄骨造(厚み3mm超4mm以下):耐用年数 27年/償却率は 0.038%
・鉄骨造(厚み4mm超):耐用年数 34年/償却率は 0.03%
・鉄筋コンクリート造:耐用年数 47年/償却率は 0.022%
使われる建材によって、建物の耐用年数が異なり、耐用年数が長くなるほど1年毎の償却率は低くなります。
一方、償却率は少ないながらも、耐用年数が終了するまで長期に渡って減価償却できる場合もあるので、一概にどの造りがいいとは言えません。
不動産投資で減価償却を考える際、一つ大きな注意点があります。
それは、減価償却に「土地」は含まれないということです。
不動産投資では建物と土地を同時に購入するのが一般的ですが、建物の価値が年々下がる一方で、土地の価値は変わらないと考えられます。
もちろん市場によって土地の価格も変動するものですが、減価償却を考える際には「建物価格」のみが対象になるので、確定申告の際は注意しましょう。
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、減価償却の仕組みについてご理解いただけたと思います。
減価償却は一見難しいイメージがありますが、基本的な考え方としてはシンプルです。
確定申告で損をしないためにも、不動産を購入する際は減価償却率を考えた上で検討しましょう。