2021/4/23コラム
土地活用や不動産投資が注目される中、将来のことを考えてアパート経営を検討している方が増えています。
アパート経営でまず考えなければならないのが初期費用ですが、実際に新築のアパートを一棟建てるとなると、一体どれくらいの費用が必要なのでしょうか。
本記事では、アパートを一棟建てる際にかかる費用を細かい項目に分けて解説します。
アパートを建てる際に発生する費用について、項目別に解説していきます。
一般的に、土地代は「坪単価」として計算します。
坪単価とは、延べ床面積1坪あたりにかかる建築費用のことで、例えば50坪のアパートが3,000万円の場合は3,000万円÷50坪で60万円が坪単価となります。
木造や鉄骨造など建物の構造によって総額が変わるため、坪単価も変動します。
アパートを新築する際には、土質や地下水位の深さなどを調査してその土地の地盤が丈夫であるかどうか調査する必要があります。
一般家屋を建てる際の地盤調査とは異なり大掛かりな調査となるため、規模によって異なりますが25~30万円ほどかかるのが一般的です。
新しく物件を建てる前に、行政の図面によって分けられている土地の境界を正式に確定する目的で、隣地の所有者や測量士などの立会いの下測定が行われます。土地が広いほど費用は高額になりますが、一般的な規模のアパートであれば30~45万円が相場となっています。
建物の設計費は、明確な金額ではなく全体的な建築費の何%というようにパーセンテージで計算されることがほとんどです。
大手ハウスメーカーに設計から建築までまとめて依頼する「設計施工一貫方式」の場合は1~3%と非常に安く、逆に設計者と施工会社を別会社に依頼する場合は10%が目安です。
建築工事費とは「本体工事費」と「付帯工事費」を合わせたものを言います。
建築するアパートの規模によってかかる費用は異なりますが、本体工事費に関しては依頼する建築会社の過去の実績から大体の価格を想定することが可能です。
一方、電気やガス、汚物処理など生活に必要不可欠な設備を整えるために必要となる付帯工事費は設備の充実度によって金額が増減します。
予算を組む際は本体工事費を80%、付帯工事費を20%程度にすることで大幅な予算オーバーは防げるでしょう。
アパートを新築する際は「印紙税」「登録免許税」「不動産取得税」の3つが必要になります。
印紙税は各種契約書を作成する際に契約した金額に応じて添付されるもので、登録免許税は取得した不動産の登記を申請する際に支払う税金です。
上記はいずれも国税ですが、不動産取得税のみ地方税となっており「不動産価格×税率(3~4%)」で計算されます。
アパートを新築する過程で、大きく分けて3つの手数料が必要です。
物件の建築工事を行う前に建物や地盤が建築基準法に適しているかを書面上で確認する「建築確認申請手数料」、申請通りに建築が進んでいるか、あるいは完成したかを実際に現地で確認する「中間・完了検査手数料」と、ローンを組む際に発生する手数料です。
確認申請手数料と検査手数料は物件の床面積によって、ローン手数料は借入額によってそれぞれ異なります。
アパートを新築する際には、万が一の時のために保険に加入しておく必要があります。
火災保険に加入するのは基本ですが、余裕があれば地震保険や施設賠償責任保険などにも加入しておくと安心です。
いくつかの保険会社で費用と補償内容をしっかりと確認してから契約しましょう。
建物が完成すると、建物の登記費用が必要になります。
ローンの支払いが困難になった際、融資元が優先的に弁済を受ける権利を示した「抵当権設定登記」がローン総額の0.4%、不動産の所有権を示した「所有権保存登記」が固定資産税評価額の0.4%です。
登記の設定は司法書士に依頼するため、司法書士への報酬が発生します。
関東や関西などアパートを建てるエリアによって費用は異なりますが、6~7万円が目安となっています。
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、アパートを一棟建てる際に必要となる費用についてご理解いただけたと思います。
ローンに含まれるものと現金で用意しなければならないものがあるため、しっかりと確認の上で資金計画を立てましょう。